アルミニウムの価値向上をするには？

アルミニウムの価値向上の提案

 

 

アルミニウムは、軽くて強く、色々な形に加工しやすく、リサイクルできて美しい優れた金属です。世界での金属生産量では鉄に次いで２番目に多く、各種工業製品から日用品まで幅広く利用されています。しかし、使用用途上、欠点があり、鉄と比べて軟らかく傷つきやすいこと、または環境により腐食してしまうことです。この欠点を補うために行うことが表面処理になります。表面処理を行うことでアルミニウムの価値向上をすることができ、硬くしたり、耐食性を向上させたり、美観も与えたりと様々な特性を付加することができます。

 

アルミニウムの特性

 

 

アルミニウムは航空宇宙産業、自動車産業、建築業界、電子機器、食品包装など、さまざまな分野で広く使用されています。軽量性と耐食性が特に重要であり、燃費向上や耐候性の要求がある場所で利点を発揮します。

 

軽量性

アルミニウムは非常に軽量な金属であり、比重はアルミ「2.7」、鉄「7.8」、銅「8.9」なので約1/3の軽さです。そのため、重量を軽くしたい製品や構造物に適しています。この軽さは、自動車、航空機、電車などのスピードアップや省エネルギーにつながります。地球環境に優しい金属なのです。

 

耐食性

アルミニウムは表面に酸化皮膜を形成するため、優れた耐食性を持ちます。この酸化皮膜は、環境からの酸や塩基、湿気、大気中の酸素などからアルミニウムを保護します。

 

導電性

アルミニウムは電気と熱を効率的に伝導する能力を持っています。アルミニウムの電気伝導度は、「銀＞銅＞金＞アルミニウム」の順に良く、銅の60%ですが比重が1/3と軽いため、同じ重量の銅線と比べて約２倍の電気を流すことができるのです。そのため、電気配線や熱交換器などの用途に広く使用されています。電線、電極、ブスバーなどにも使用できます。

 

可塑性

アルミニウムは高い可塑性を持ち、熱や圧力によって容易に加工することができます。押出、鋳造、加工などの方法で幅広い形状に成形できます。アルミニウムは、圧延、曲げ、絞り、切削などの加工が容易にでき、ダイカストやロストワックスなどの鋳造も広く行われております。また、押出加工のように加熱してダイスの中を高圧で押し出し、薄肉の製品を作り出すことさえも可能です。

 

良好な導熱性

アルミニウムは優れた導熱性を持ち、熱を迅速に伝えることができます。アルミニウムの熱伝導率は「銀＞銅＞金＞アルミニウム」の順に良く、鉄の３倍もの熱伝導率を持っています。しかも、金属比重が銀、銅と比べて約1/3という軽さのため様々な製品の放熱目的部品（ヒートシンク等）として使用されています。この特性は、冷却フィンや熱交換器などの熱管理に重要です。

 

再利用性

アルミニウムは再生可能な材料であり、繰り返しリサイクルすることができます。再溶解して新しい製品に再利用することができるため、環境への負荷を軽減することができます。

 

強度が高い

アルミニウム（1000系）の引張強度はそれほど高くありませんが、圧延加工をすることで強度が高くなります。合金では、ジュラルミン（2000系）や超ジュラルミン（7000系）のように鋼に匹敵する強度をもつアルミニウムもあります。

 

低温に強い

アルミニウムは、低温に強く-200℃の極低温においても強度を保つため低温環境での構造材に適しています。銅は-62℃以下になるともろくなるので構造材には向いていません。

 

毒性がない

アルミニウムは、調理器具や飲料缶などに使用されているように毒性のない金属です。

 

磁性がない

アルミニウムは磁石につかない非磁性金属であります。そして軽い金属のため、外部からの磁力線、ノイズ電波などから保護する電磁波シールド板に適しています。

 

アルミニウムの価値向上表面処理の提案

 

アルミニウムの耐食性を向上する

 

アルミニウムは空気中の酸素と結合して薄い酸化皮膜を自然形成します。その酸化皮膜により、耐食性の優れた金属でありますが、表面処理をすることで更に耐食性を持たせることが可能です。アルマイト、化成処理、めっきなどの表面処理を行うことで耐食性を向上させることが可能です。

 

・アルオンめっき（高耐食性めっき）
・アルマイト（普通アルマイト、硬質アルマイト）
・化成処理（ダイレクトクロメート）

 

表面硬度を上げて耐摩耗性、摺動性、強度の向上させる

アルミニウムは構造物に使える強度を持った金属ですが、柔らかい金属でもあります。熱処理で硬くすることも可能ですが、更に硬くするには表面処理が必要です。

 

アルミニウムの表面に特殊な処理を施すことで硬度を向上させることができます。例えば陽極酸化処理（アルマイト処理）や硬質陽極酸化処理（ハードアルマイト処理）などがあります。これにより、アルミニウム表面に酸化皮膜を形成し、表面硬度や耐摩耗性を向上させ、硬くすることで皮膜質量が増加し耐摩耗性能が向上します。また、PTFEなどを含有させた皮膜をアルミニウムに作ることで潤滑性、摺動性が向上します。

 

・硬質アルマイト
・無電解ニッケルめっき
・ニッケル-クロムめっき

 

美しい外観の付加

 

アルミニウムは、そのままでも美しい外観を持った金属でもあります。しかし、アルマイトやめっきをすることで、更にデザイン性を高めることが可能です。鏡面仕上げやマットな質感を持った各種金属色のめっき外観、アルミ合金の種類にもよりますがアルマイト＋染色による美しい金属質感を持った様々な色を作り出すことも可能です。同時に、耐食性や強度を確保することも可能です。

 

・研磨・梨地
・ニッケルめっき
・ニッケル-クロムめっき
・アルマイト（各種カラー）

 

高い電気伝導率を利用した製品を作る

 

アルミニウムは、電気をよく通す金属の４位であります。しかし、アルミ材料のままだと空気中の酸素と結合して自然に作られた酸化皮膜により接触電気抵抗が高い金属になってしまいます。

そこで、接触電気抵抗の低い金属皮膜をめっきすることにより、軽くて、電気をよく通す金属であるアルミニウム製品を作ることが可能になります。

 

・電極用めっき

 

軽い金属特性にはんだ付け性の付与

 

アルミの軽さと加工しやすさを利用した部品を作りたいが、はんだ付けで製品を固定したりする場合、アルミニウム表面のままでははんだ付けが不可能です。

その場合は、はんだ付けに適しためっきをアルミニウムにするによりはんだ付けができるアルミニウム部品が出来上がります。

 

・ソルダブルニッケルめっき
・錫（スズ）めっき

 

電磁波シールドの性能を更に高めたい場合

 

アルミニウムは電磁波シールド性能があります。しかし、更に電磁波シールド性能を高めたい場合の銅めっき処理がございます。これにより、広い周波帯での電磁波シールド性が高まると評価頂き採用されております。

 

・銅めっき
・無電解ニッケルめっき

 

熱伝導性能を利用したヒートシンクの製作

 

アルミニウムは熱伝導率良い金属の順位４位であり、軽いためヒートシンクの材料によく採用されます。ヒートシンクにアルマイトを利用すると、皮膜が輻射率を高め、放熱効果が高まります。複雑な形が作れるアルミダイカストヒートシンクにはアルマイトや化成処理の表面処理が必要です。また、アルミ材料の持つ性能をそのまま使いたい場合と高性能ヒートシンクには化成処理を利用することが多いです。

 

・アルマイト
・化成処理

 

 

VA/VE 提案による仕様のご提案

 

 

企業様からご提出いただいた図面を元に最適な材料選定、加工方法の選定、形状提案を行い製品のコストダウン、生産性向上に繋げます。試作から製品の立ち上げまで多くの実績があるからこそ出来るご提案をいたします。また、現行の仕様と要求品質からコストダウンできる仕様などを提案させていただくことも可能です。お気軽にご相談ください。

 

 

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