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材料の選び方

 

 

製造業では、金属材料や樹脂材料をはじめ、さまざまな材料が扱われます。今回この記事で説明する金属材料は、特性や硬度によってさまざまなものがあり、日本工業規格によって細分化されています。金属材料を選ぶには、目的や用途に応じて、材質、厚さ、加工方法、切断方法の違いなどから選ぶようにします。金属材料の種類や選び方について説明していきます。

 

金属材料の材料選びには

機能・コストのバランス

材質

厚さ

加工方法

 

機能とコストのバランスを考える

材料を選ぶ際には、まず機能とコスト2つの視点から着手します。安くても使えなければ意味がありませんし、反対にどれだけ高機能のものでも高すぎれば使いにくくなります。双方のバランスが取れている状態が、もっともよい設計であるともいえます。機械設計や製品開発をする際には、機能とコストのバランスをとりながら材料を選ぶようにしましょう。

 

材料における「機能」とは?

 

機械的性質
機械や部品として完成した際に、外から加わる力に耐えるための性質をいいます。材料の性質としては強度や硬さ、靭性などが該当します。

 

物理的性質
重さや電気、熱などに対する性質で、使用条件に対する性質になります。電気を通すか通さないか、熱でどれくらい膨張するか、磁石に反応するかなど、力以外の機能を問います。材料の性質としては、比重、導電性、熱膨張率、磁性などが該当します。

 

化学的性質
酸化(さび)や、薬品などとの反応のしやすさに関する性質で、環境に対する性質になります。水や海水がかかる場所、酸や油にさらされる場所など、周囲の状況に対して材料が悪い方向に変化しない機能を問います。材料の性質としては、耐食性が該当します。

 

コストとは?

 

材料そのものの値段
同様に金属材料であっても、樹脂材料であっても、種類やグレードによって材料そのものの値段に差があります。具体的には、鉄鋼材料に比べるとステンレスは割高な傾向があります。

 

材料の入手のしやすさ
材料の入手のしやすさとは、一般に売られ、流通しているかどうかです。材料メーカーが常時取り扱いしている一般的な材料であれば、比較的安価に入手できます。また、複数の購買先をもつこともできますので、災害時などを想定したリスクヘッジにも役立ちます。反対に、たとえ材料そのものの単価は低くても、特別な形状で購入しようとすればコストは上がります。

 

材料の加工のしやすさ
加工にかかるコストは機械や部品の値段に影響を及ぼします。加工しやすい硬さの材料を購入し、切削加工などの機械加工を行った後に、焼き入れなどの熱処理を行う方法があります。また強い板金部品が欲しいからと、板の厚さを厚くしてしまえば、やはり塑性加工にかかるコストが上がります。少々金型の値段が上がっても、リブや立壁を追加するなど、設計面での工夫を加えることで、コストを低く抑えられるようになります。

 

材質で選ぶ

金属素材には、さまざまな種類があり、加工の容易ささや熱処理による性質変化など特徴に違いがあります。

 

種類 詳細

鉄(スチール)

もっとも汎用性の高い金属素材で加工性にすぐれ、溶接も容易です。価格が安く含まれている炭素量が少ないため、焼き入れによる強度が期待できないSS400と、焼き入れによる強度の上昇が見込めるS50Cなどがあります。

特殊鋼

工具などに使われることの多い特殊鋼には、熱処理しやすいSK3、耐摩耗性、被削性にすぐれたSKS3、靭性にすぐれたSKH51、熱処理のあとの変形が少ないSKD11などがあります。

プリバードン鋼

プラスチックを成型する金型などに使われます。強度、耐摩耗性、非切削性にすぐれたDC53、溶接性にすぐれたPXA30、ゆがみが少ないNAK55、鏡面みがき性が高いNAK80などがあります。

アルミ

導電性が高く熱伝導率にもすぐれている特性を持っているのがアルミです。切削性にすぐれたジュラルミンや高い強度をほこる超々ジュラルミンもアルミ合金に分類されます。

ステンレス

耐食性・溶接性にすぐれており、磁力に反応しないSUS304や、加工性は高いものの耐食性が若干落ちるSUS303などがあります。

砲金

銅・亜鉛・鉛・すずからなる合金で耐圧性、耐摩耗性、被削性に高い耐性を持っています。

純度99.9%以上の含有率で耐食性、耐候性に特化したタフピッチ銅があります。

真鍮

配線機器などに用いられることの多い真鍮は、銅と亜鉛の合金でC2801という材質記号で表記されます。

チタン

強度、加工性ともに高い数値を示しているのがチタンです。熱交換器をはじめ、食器や装飾品など多岐にわたって利用されています。

 

厚さで選ぶ

一般的に、金属材質の厚みが増えれば加工はしづらくなりますが強度は増します。鉄の切板の場合だと厚さ5mm前後から日本人男性の標準体重(67kg)を支えられます。ステンレスの場合は7mm、アルミの場合は20mm程度の厚みが必要で、素材によって強度は大きく変わってくるのです。

 

加工方法で選ぶ

金属素材は、加工方法で選ぶこともあります。加工方法には、大きく分けて素材の金属を回転させて加工する旋削加工と素材を固定して工具を回転させて加工する転削加工があり、前者の代表が旋盤加工、後者の代表的な方法がフライス加工となっています。

 

加工方法 詳細

旋盤加工

バイトとよばれる刃物に回転する素材を当てながら旋削する加工方法で、汎用旋盤やNC旋盤を用いて加工します。NC旋盤はコンピューターで制御されていて複雑なデザインの加工でも常に一定の水準で仕上がるメリットがあります。

フライス加工

対象物の表面だけでなく、穴あけや溝削りなど複雑な作業ができる加工法です。汎用フライス、NCフライス、マシニングセンターなどがあり、それぞれ得意な加工方法に違いがあります。

レーザー加工

レーザー光によって、切断を行います。従来の手段では切断できない金属の加工や切断が可能です。ただし、レーザー光での切断は、ゆっくりと線をあてるために時間がかかります。切断できる素材の厚さもワイヤーカットより短いなどのデメリットがあります。

ワイヤーカット

ワイヤーカットは、水中に素材を沈め電流を流すことで放電爆発を発生させ、その熱量で対象を溶かしながら切断する方法です。切断時に発生する温度は7,000度にもなりますが伝導性のある素材であればどのような金属にも対応できます。また高精度で切断加工ができ、誤差は0.005mm単位で計測できるほどです。また、熱の力で溶かして切断するためバリも出ず、複雑な形にも対応できるというメリットがあります。

 


 

岐阜精器工業

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