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ポリアセタールとは?POM樹脂

 

ポリアセタール樹脂(POM樹脂)とは

 

POM(ポリアセタール)がメカ設計の用途に重宝される理由 | meviy | ミスミ (misumi-ec.com)

 

金属の代用品としても人気のあるプラスチック素材・ポリアセタール。重く、サビて腐食しやすい金属からの置き換え等々、需要のある素材です。ポリアセタール樹脂(POM樹脂)は、メチル基(CH2)と酸素(O)が交互に規則正しく並んだ化学構造を持つエンジニアリングプラスチックです。その規則正しく並んだ化学構造から、結晶構造を作りやすく、結晶化度(結晶性樹脂における結晶部分の割合)がエンプラの中で最も高いことが特徴です。

 

ポリアセタールの物性・加工・用途等について

 

ポリアセタールは1952年頃に初めて合成されました。開発したのはテフロンで有名な米国デュポン社で、1956年にホルムアルデヒドから合成し、DELRIN(デルリン)という商標で市販しました。製造がスタートしたのは、1960年に入ってからです。その後、Celenese社(現Ticona社)によって、ジュラコンという商標のポリアセタールが生み出されています。ポリアセタールは、主鎖がメチレン基と酸素によるポリエーテル構造。すなわちその繰り返しがオキシメチレンであることから、ポリオキシメチレン(POM)ともいわれています。物性のバランスがよく、汎用エンジニアリングプラスチックとして多く用いられています。成形加工、切削加工等、加工性もよい素材です。

 

用途

ポリアセタールは衝撃に強く剛性も高いため、多少曲げてしまっても、製品が破損することがありません。硬度は金属と近いうえに、金属の弱点をカバーすることができます。この特徴から、自動車の各種部品、電子部品、半導体製造装置部品、食品製造装置部品に使われます。

 

特徴

ポリアセタールの特徴を言うと、耐摩耗性の高さです。摩耗しやすい各種部品においても頻繁に使用されています。しかし、ポリアセタールの分子の構造には酸素が含まれていることから、難燃性は高くなく、火気を取り扱う現場では、扱い方を工夫します。また、光や紫外線などにもあまり強くないため、屋外での使用に注意が必要です。変色や物質そのもの変化などのデメリットが生じる可能性も否めません。他には、接着性があまりないため、メッキや塗装を施しにくい素材です。一方で、溶接は可能です。

 

物性

 

結晶化度

結晶化度が70~90%で、結晶性プラスチックの中でも高いほうです。機械的強度のバランスがよい素材です。

 

ポリカーボネートと比較

引張強度、曲げ強度が同じくらい、圧縮強さは勝り、衝撃強さは劣ります。耐疲労性、耐クリープ性、弾性回復性は優れています。

 

耐摩耗性・高摺動性

ナイロンに次ぐ優れた耐摩耗性を有します。結晶樹脂で、自己潤滑性・摺動特性も高いです。

 

熱的特性

ホモポリマーの荷重たわみ温度は124℃で、熱安定性に優れています。他のエンプラより融点は低いですが、使用可能温度範囲は-40~110℃と低温から高温まで幅広く使用できます。

 

寸法安定性

ポリアセタールは吸水性が小さく、機械的強度にも優れているため、寸法安定性がよい素材です。

 

自己消化性

酸化指数が高く、難燃処理も施すことができないため、自己消化性は低いです。

 

耐薬品性

優れた耐溶剤性があります。常温で様々な有機溶剤に侵されませんが、酸には弱く、アルカリにはコポリマーのほうがよく耐えます。

 

ポリアセタールの加工方法

 

溶接

ポリアセタールの溶接棒を熱して溶かしながらパーツを溶接します。そのほか、熱板溶接、超音波溶接という方法もあります。

 

接着

接着しにくい素材です。溶剤接着が難しいため、ゴム、エポキシ、シアノアクリレート系の接着剤などが用いられます。

 

切削加工

ポリアセタールは、機械的強度を持ち、吸水性も小さいため寸法を安定して出せる素材です。したがって、工作機械による切削加工を行いやすいという特徴があります。

 

押し出し成形

ポリアセタールは、高い成形性が特徴。溶融すると流動性がよいため、射出成型しやすい素材です。成形温度は、190~220℃(ホモポリマー)、金型温度120℃。コポリマーで、180~210℃、金型温度80℃。加熱しすぎると分解したり、黄変します。高結晶度なので、成形収縮が大きいです。押し出し成形で、パイプ材も製造されます。

 

メリットと用途について

 

軽量化がはかれる

自動車や建材などに使われる各種部品は、プラスチックが持つ軽さが重宝されます。ポリアセタールは、強度、耐久性も高く、金属の代替として利用できる素材です。例えば、ギア、軸受、ベアリング、カム、ブッシュ、プーリー、スイッチなどは、ポリアセタールの耐疲労性、摺動性、耐摩耗性、機械的強度を利用したものです。

 

複雑な形でも効率よく生産可能

成形性、その他加工性が高いポリアセタールは、機械的強度、寸法安定性などもよいため、自動車部品や電子部品・半導体製造装置部品・食品製造装置部品など、複雑で細かな形状の部品として製造されています。金属やその他の材料で作るよりも、ポリアセタール等のプラスチックで設計製作すれば、複雑な形でも比較的簡単に各種部品を作ることが可能となります。

 

原料供給が安定している

電子部品や半導体製造装置部品、食品製造装置部品、医療機器の各種部品など、私たち現代人の暮らしになくてはならないアイテムに直接関わる装置のパーツは、安定して製造できなければなりません。ポリアセタールの場合、原料供給が安定していることから、長期的な心配がなく使用することができます。

 

POMの強み

 

POM(ポリアセタール)は、ホルムアルデヒドやエチレンオキシドをモノマーとしたエンジニアリング・プラスチックです。ホルムアルデヒドのみが重合したホモポリマーと、エチレンオキシドを10モル%程度含んだコポリマーとがあり、前者はデルリンⓇ、後者はジュラコンⓇが有名です。POMは耐熱性、耐衝撃性、耐摩耗性などに優れるため、一般的なメカ設計の要件をクリアできます。以下では、POMの強みをくわしく解説します。

 

耐熱性

耐熱性は、樹脂が高温環境下で物性を維持する性質であり、樹脂の使用方法を決める上できわめて重要な指標です。
POMの連続使用温度はホモポリマーで約85℃、コポリマーで約105℃です。短時間であれば、約150℃の高温にも耐えられます。荷重たわみ温度(熱変形温度)も1.8MPaで110~120℃程度と比較的高く、高温環境でも本来の強度レベルを保つことができます。そのため、POMはエンジンまわりの部品やヒーターファンなどの材料として適しています。

 

耐衝撃性

耐衝撃性は、外部からの衝撃(瞬間的な大きな力)に対する耐性です。
POMは耐衝撃性が高く、他の部品とぶつかったり床に落ちたりしても簡単には壊れません。POMを使用すれば、丈夫な部品を製造できるのです。

 

耐摩耗性

部品の耐摩耗性(摩耗に耐える性質)や自己潤滑性(その素材自身の摩擦係数がきわめて小さいこと)は、機械の寿命や性能を左右する重要なポイントです。一般に、結晶性が高い樹脂ほど優れた自己潤滑性を示します。POMは他の樹脂と比べて結晶性が高いため自己潤滑性に優れており、結果として高い耐摩耗性を示します。そのため、摩耗の影響を受けやすい歯車やネジ、軸受けなどに最適です。

 

耐薬品性

耐薬品性は、薬品と接しても溶けない、膨張しない、反応しないといった性質です。POMは、強酸(硫酸や塩酸など)を除くほとんどの有機薬品や無機薬品に対して優れた耐薬品性を示します。そのため、燃料ポンプやグリース潤滑歯車、マーキングペンのキャップ、排水溝など、薬品や油に接する場所での使用に適しています。

 

寸法安定性

樹脂は吸湿や吸水、熱などにより膨張して、寸法が少しずつ変化します。この寸法変化に対する耐性が、寸法安定性です。POMは吸水率が低く、長期にわたる寸法安定性に優れています。そのため、高精度な歯車など、高い精度が要求される部品にも問題なく使用できます。

 

POMの弱点

 

不透明な部品しかできない

POMは結晶性樹脂ではあるものの、分子が規則的に並んだ結晶性部分だけでなく、ランダムに並んだ非晶性部分も有する結晶構造になっています。結晶性部分と非晶性部分は屈折率が異なるため、結晶性樹脂の内部では光が乱反射します。その結果、透明性が低下するのです。

 

耐候性が低い

POMの欠点の1つは、耐候性の低さです。そのため、屋外や常に直射日光にさらされるような条件での使用は望ましくありません。どうしてもPOMを屋外で使用したい場合は、安定剤を添加するなどの対策が必要です。

 

接着性が悪い

POMは自己潤滑性が高く、一般的な接着剤では接着できません。POMを接着加工するには、溶接したり、表面をエッチング加工した後にポリウレタン製接着剤を使用したりする必要があります。

 

酸素指数が高く燃えやすい

POMには酸素原子が含まれています。そのため酸化指数が15と高く、火を近づけると燃えやすい点はデメリットです。

 

まとめ

ポリアセタールはエンジニアリング・プラスチックの一種で、耐熱性、耐衝撃性、耐摩擦性、耐薬品性、寸法安定性などに優れています。一般的なメカ設計の要件を満たしており、多機能部品やバネ、歯車などの材料として有用です。
オールマイティな樹脂材料ですので、多用しているエンジニアも多いと思いますが、耐候性や接着性が悪い、燃えやすいといったデメリットもあります。POMの特徴や他の樹脂との違いを理解して、POMを効果的に使いましょう。

 

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最適なプラスチック素材、最適な加工方法については、弊社でご提案いたします。ポリアセタール以外の樹脂についても、製品設計時にお困りのことがあれば、お問い合わせください。弊社では、高機能なプラスチック製品を低価格で製造・調達できるフローを確立しております。試作又は一個からの小ロット、1万個以上の量産品まで対応いたします。工程や材料などの無駄を徹底的に排除することで、他では真似できない低価格を実現しているのが強みです。メッキ・塗装・彫刻・その他表面処理などの樹脂加工に関わる加工についても承りますので、どうぞお気軽にご相談ください。

 

 

 

 

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