VA/VEで考える海外調達
〜「安い」だけじゃない、“設計と加工の最適化”〜

多くの企業が海外調達に期待するのは「コストダウン」です。
確かに、人件費や為替差を活かせば、国内より低コストで製品を作ることが可能です。
しかし実際には、単純に海外に出しただけでは、品質問題や再加工コストで
“結果的に高くついた”という事例も少なくありません。
そこで重要になるのが、VA/VEの視点で海外調達を設計段階から考えるという発想です。
■ VA/VEとは?
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VA(Value Analysis):既存製品の価値を分析し、コスト低減や機能改善を図る手法。
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VE(Value Engineering):設計段階で、コストと機能のバランスを最適化する手法。
どちらも“安くする”ではなく、
「必要な機能を、最も合理的な方法で実現する」ことが目的です。
■ VA/VEの視点から見た海外調達のポイント
① 素材・仕様の見直し
海外では、材料の標準サイズや入手性が異なります。
たとえば、日本ではA5052の板厚3mmが標準でも、海外では3.2mmしかない場合も。
その0.2mmの違いを吸収する設計変更(=VE)ができれば、材料ロスを削減できます。
→ 商社が現地の標準材情報を把握し、設計段階から提案できるかが鍵。
② 加工方法の最適化
同じ形状でも、「切削」「鋳造」「プレス」「溶接」など複数の加工法が考えられます。
海外メーカーの得意プロセスに合わせて**加工方法を変更(VA)**することで、
コストと品質の両立が可能になります。
例:
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切削部品 → ダイキャスト化でコスト40%削減
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板金溶接品 → 一体プレス化で工数短縮
③ 図面の“翻訳”によるコスト適正化
国内仕様そのままでは、海外工場が理解できず不良や再加工が発生することもあります。
特に公差・表面粗さ・メートル/インチ単位など、図面上の曖昧さは大きなリスクです。
→ 商社が設計意図を「現地メーカーが理解できる図面」に**翻訳(VE支援)**することで、
無駄な精度要求や誤解を防ぎ、コスト適正化を実現します。
④ 現地サプライヤーとの共同VA活動
VA/VEは日本側だけで完結しません。
現地工場の技術者と協働し、
「この工程は簡略化できる」「この治具を共通化できる」など、
**現場発の改善提案(VA)**を吸い上げる仕組みが重要です。
→ 商社が間に入り、双方の言語・文化・技術を橋渡しすることで、
本当の意味での“グローバルVA/VE”が成立します。
■ まとめ:海外調達=VA/VE活動の延長線
海外調達は単なる「安い製造先の確保」ではありません。
設計・材料・工程を含めたVA/VE活動のフィールドとして活用することで、
品質とコストの両立が可能になります。
弊社では、海外拠点とのネットワークを活かし、
設計段階からのVA/VE提案を行っています。
単なる見積比較ではなく、図面を最適な形に翻訳するサポートを通じて、
真のコストメリットを生み出しています。
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